バセドウ病はなぜおこる?免疫システムとの密接な関連とは

甲状腺
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私は甲状腺の左側は癌で摘出し、残った右側は橋本病と診断されました。甲状腺癌も橋本病も、甲状腺の中では珍しくない病気ですが、最も多いのは甲状腺の機能が亢進する「バセドウ病」だと言われています。

このバセドウ病ですが、実は体の免疫システムとも密接なかかわりがあるのです。今回はこのバセドウ病について、免疫システムとの深ーい関係についてお話します。

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バセドウ病とは

バセドウ病は甲状腺の病気の中でも最も多く見られる疾患で、女性の方が男性よりも4倍も多いとされています。

バセドウ病は甲状腺機能が亢進する疾患で、甲状腺から分泌される「甲状腺ホルモン」が過度に分泌されることで新陳代謝の活動が異常に高まり、何もしていなくてもどんどんエネルギーが消費されるのが特徴です。そのため、疲れやすい動悸・頻脈などといった症状が現れます。

甲状腺から甲状腺ホルモンが分泌される仕組み

甲状腺ホルモンは甲状腺から分泌されるのですが、これは甲状腺が勝手に量を決めてホルモンを分泌しているわけではありません。

脳にある「視床下部」というところが血中の甲状腺ホルモンの量を常に監視しており、少なければホルモンを分泌するように指令を出し、十分量あれば指令をやめます。

まずはこの「視床下部」から、「脳下垂体」という部分に「甲状腺にはたらきかけるホルモンを出してね~」と指令を出します。これが「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)」と呼ばれるホルモンです。

視床下部から指令を受けた脳下垂体は、次に甲状腺に「甲状腺ホルモンを出してね~」という指令を出します。これが脳下垂体から出る「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」と呼ばれるものです。甲状腺は、甲状腺に存在する「甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHレセプター)」というたんぱく質でこの指令を受けます。こうして、甲状腺から甲状腺ホルモン(T3、T4)が分泌されるのです。


【脳からの道のり】

視床下部  … 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)

 ⇩ 

脳下垂体  … 甲状腺刺激ホルモン(TSH)

 ⇩ 

甲状腺  … 甲状腺ホルモン(T3、T4)


甲状腺ホルモンが分泌されるまで、脳からいろいろな指令を受けているんですね。この過程の中でどこかしらに問題が生じると、甲状腺ホルモンを分泌する量をうまく調節できなくなってしまいます。

バセドウ病はこのうち「甲状腺ホルモン受容体(TSHレセプター)」を異物としてみなし、攻撃する抗体(TSHレセプター抗体)ができてしまうことが原因の一つだと言われています。

バセドウ病は自己免疫疾患の一つ

前述したように、バセドウ病は 「甲状腺ホルモン受容体(TSHレセプター)」を異物としてみなし、攻撃する抗体(TSHレセプター抗体)ができてしまうことで、様々な症状をひきおこすと考えられています。このように、自分の組織の一部を誤って異物だと認識し、攻撃してしまう疾患を「自己免疫疾患」といいます。

人の体は異物が外から侵入してくると、それを攻撃しようとする機構が備わっているのですが、これがなんらかの原因で誤作動を起こし、自分の組織を攻撃してしまう疾患が「自己免疫疾患」です。

バセドウ病の場合、TSHレセプター抗体が 甲状腺ホルモン受容体を異物としてみなして攻撃します。それが甲状腺への刺激となり、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまい、バセドウ病のもろもろの症状を引き起こすとされています。

バセドウ病の診断基準

バセドウ病では血液検査の結果、甲状腺ホルモンであるF3とF4、さらに遊離型の甲状腺ホルモンであるFT3、FT4が高値となります。そして血中の甲状腺ホルモンが増加していることで、脳は「甲状腺ホルモンを出してね~」と指令を出す「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」は逆に低値になります

甲状腺検査(採血検査)の主な項目 正常値
トリヨードサイロニン(T3) 90~170ng/dl
フリートリヨードサイロニン(FT3) 2.0~4.5pg/ml
サイロキシン(T4) 5.0~12.0μg/dl
フリーサイロキシン(FT4) 0.7~1.9ng/dl
甲状腺刺激ホルモン(TSH) 0.5-5.0μg/dl

また、甲状腺自己抗体の検査も行いますが、バセドウ病の場合、この抗体検査で9割以上の人に陽性の結果が出るとされています。

まとめ

バセドウ病は甲状腺疾患の中で最も多く見られる疾患ですが、自己免疫システムが誤作動することで甲状腺ホルモン受容体を異物とみなしてしまうことが原因とされているんですね。甲状腺だけの問題かと思ったら、なんと自己免疫と深ーい関係があったのです。

バセドウ病は10万人あたり100人という割合で起こる病気ですが、主な症状が「疲れやすい」ということもあり、周りにはなかなかわかりにくい病気でもあります。そのため、症状があてはまる方は早めに受診することをおすすめします。また、治療中の方は適切な治療を行うことが大切ですね。

 

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